紅葉色づく伊豆の小京都・修善寺

sKenji

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修禅寺
修禅寺

温泉が有名な伊豆の修善寺。紅葉が最盛期を迎えているとのことで、今月22日に訪れてきました。

修善寺の歴史

残されている記録では、修善寺の始まりは平安初期に弘法大師が修禅寺を開基した頃と言われています。当時は「桂谷」と呼ばれており、修禅寺も「桂谷山寺」と呼ばれていたそうですが、鎌倉時代初期には「修禅寺」という現在の呼称に変わっており、地名も「修禅寺」と呼ばれていたそうです。地名の漢字が「修善寺」に改められたのは室町後期であり、寺名と区別したそうです。

鎌倉時代には、鎌倉幕府の二代将軍、源頼家(みなもとのよりいえ)が、修禅寺に幽閉され、最期を遂げています。頼家は1199年、初代将軍の源頼朝亡き後を継ぎ18歳の若さで将軍職についたものの、時の権力者である北条氏との政争に敗れて修善寺に流されています。そして、1204年、幽閉されていた修善寺で入浴中に、祖父の北条時政の手によって暗殺され、23歳の生涯を閉じたと伝えられています。現在、修善寺にある「指月殿」の隣に頼家の墓がひっそりとあります。

温泉は修禅寺が開創されたころからあったものの、多く人が訪れるようになったのは明治時代に湯治客専用の内湯旅館ができ、交通機関が整備されてからだそうです。川端康成、芥川龍之介、島崎藤村、正岡子規、横山大観などを始め、多くの文人墨客が訪れています。

修善寺の見どころ

修善寺で食べた豆腐アイスクリーム。本わさびがピリっとして美味です

修善寺で食べた豆腐アイスクリーム。本わさびがピリっとして美味です

修善寺の主な見どころは、地名の由来にもなっている曹洞宗のお寺「修禅寺」、1200年以上の歴史を誇ると伝えられる「独鈷の湯」、風流な「竹林の小路と桂川(※)沿い」などがあります。

街中には土産物屋や食事ができるお店も数多くあります。落ち着いた佇まいのお店で休憩しながら散策すると、街歩きがさらに楽しくなります。

※桂川は通称で、正式名称は修善寺川です。

 修善寺観光Map
www.shuzenji-kankou.com  

修禅寺

修禅寺

修禅寺

一般的に「修禅寺」と呼ばれていますが、正式な呼称は「福地山修禅萬安禅寺(ふくちざんしゅぜんばんなんぜんじ)」、略して福地山修禅寺と言います。

お寺の歴史は古く、807年、弘法大師によって開かれたそうです。途中で2度、宗派が変わっており、最初の約470年間は真言宗、続く約2百数十年間は臨済宗、そして500年ほど前に現在の曹洞宗になっています。

紅葉が素晴らしい名刹で、色づいた木々と鐘楼堂の組み合わせには思わず息を飲みました。

 福地山 修禅寺
shuzenji-temple.com  

独鈷の湯

修禅寺とともに伊豆の顔とも言えるのが「独鈷(とっこ)の湯」です。弘法大師ゆかりの湯と伝えられる「独鈷の湯」は、修禅寺でもっとも古い温泉であり、1200年以上の歴史を誇っています。独鈷の湯の由来について、現地にあった解説版には次のように書かれていました。

大同2年(807年)に弘法大師がこの地を訪れたとき、桂川で病みつかれた父の体を洗う少年を見つけ、その孝心に心を打たれ、「川の水では冷たかろう」と手にした独鈷杵(仏具)で川中の岩を打ち、霊泉を湧出させたという。そして、大師が父子に温泉療法を教えたところ、不思議なことに、父の十数年の固疾はたちまち平癒したと伝えられ、その後この地方には、温泉療法が広まったという。いわゆる修善寺温泉発祥の温泉で、伊豆最古のものといわれている。

独鈷の湯にある解説板

独鈷の湯は現在、足湯として入ることができます。もとは今ある場所よりも19mほど上流にありましたが、2009年に水害対策として現在の場所に移設されたそうです。川中に作られていることもあり、趣が感じられます。さらに温度もちょうど良く、一度足を浸すとまるでコタツのように抜け出せなくなる足湯です。

竹林の小径と桂川沿い

伊豆の小京都とも称される修善寺。それを特に感じられる場所が「竹林の小径」と「桂川沿い」です。虎渓橋から滝下橋まで遊歩道(※修善寺観光Map参照)は、まるで京都にいるかのような錯覚を覚えるほど風情ある散策路です。

何度も訪れたくなる伊豆の小京都

修善寺には今回ご紹介したほかにも、名湯・筥湯(はこゆ)や伊豆最古の木造建築といわれる指月殿、源頼家のお墓などもあります。

時がゆっくりと流れているかのような修善寺では、人も優しくなるのでしょうか。お昼を食べに入ったお蕎麦屋さんでは、店のおばあちゃんが「地元でとれたものよ」と言って、注文したざるそばのほかにも蒸かしたサツマイモをくださり、昔と今の修善寺の街について話をしてくれました。

お蕎麦屋さんのおばあちゃんと風情ある光景に、また来ようと思いながら修善寺を後にしました。

伊豆の小京都、修善寺。何度も行きたくなる場所です。

修禅寺にて
修禅寺にて

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