2014年9月2日 今日の東電プレスリリース

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津波で破損した重油タンクから油の抜き取り作業始まる。3年半後になってようやく

9月2日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日
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[New!]今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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操作卓が落下した3号機プール水の分析結果とプラントパラメータ

使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:9月1日)
・セシウム134:2.2×102Bq/cm3
・セシウム137:6.6×102Bq/cm3
・コバルト 60:検出限界値未満(検出限界値:1.5×100Bq/cm3)

プラントパラメータ(9月1日午後4時現在)
・モニタリングポスト:有意な変化なし
・原子炉建屋オペフロ雰囲気線量:有意な変化なし
・使用済燃料プール水位:有意な変化なし
・スキマーサージタンク水位:有意な変化なし
分析結果については、前回と比較して有意な変動がないこと、また、プラントパラメータに有意な変動がないことから、燃料破損等の兆候は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日

プール水の分析結果をリットル当たりに換算する。
セシウム134:220,000 Bq/L
セシウム137:660,000 Bq/L
コバルト60:検出限界値未満(検出限界値は、1,500 Bq/L)
落下事故前と比べて大きな違いはないというものの、かなり高い。

津波被害を受けた重油タンクの残油回収作業を開始

上の写真2点は「固体廃棄物貯蔵庫東側のり面(5号機の近傍南側)から東側を撮影」とされる、津波到来時の画像。今回の記事にあるNo.3タンクかどうかは判別しづらいが、重油タンクが流されている様子がわかる。

※5・6号機No.3重油タンクは、震災当時津波の影響により、容器が変形・破損し内部の重油の一部が流出。現在も当該タンク内部には、約135キロリットルの重油が残存していることから、9月2日午前9時35分、No.3重油タンクから残油を積載式移動コンテナタンクに回収し、構内のNo.2屋外危険物貯蔵所に保管する作業を開始。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日

3年半後になってようやく。

1号機~3号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止中

◆2号機
1号機と同じ4項目

※滞留水移送は停止中

◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月19日午後4時18分~)

※滞留水移送は運転中

4号機 ~使用済み燃料プールの冷却を停止

・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

加えて、使用済み燃料プールの冷却停止を発表

※9月2日午前5時23分、使用済燃料プール代替冷却系について、当該系の循環冷却設備一次系フレキシブルチューブの交換等を行うため、冷却を停止(停止時プール水温度:24.7℃)。停止期間は約60時間を予定しており、冷却停止時のプール水温度上昇率評価値は0.266℃/hであることから、停止中のプール水温上昇は約16℃と評価。運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温管理上問題はない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日

8月25日~26日にかけて同じ理由で冷却を停止している。まるでコピペしたかのように同じ発表内容だった。フレキシブルチューブ交換は、60時間では終了しない大仕事なのかもしれない。

5号機~6号機

新規事項なし

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

新規事項なし

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

水処理設備および貯蔵設備 ~サイトバンカ建屋からの溜まり水移送を停止

・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

加えて、溜まり水の移送を停止したことを発表

・集中廃棄物処理施設において、サイトバンカ建屋からプロセス主建屋へ溜まり水を移送実施(9月1日午前10時17分~午後6時44分)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日

地下水バイパス ~タンクグループ1からの海洋排出準備が進む

※1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として設置した地下水バイパス設備について、地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日8月25日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日

 福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク分析結果|東京電力 平成26年9月2日
www.tepco.co.jp  

※全アルファ、ストロンチウム90の検査や、セシウムのコンマ5ケタまで測定する詳細分析ではない。詳細分析の結果は8月2日採取分(8月12日に海洋排出実施済み)のものが本日9月2日付で公開されている。

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

9月1日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月2日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年9月2日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

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